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執筆者の写真池谷薫

転機となったNHKスペシャル

10/18から全5回の「中国を知る」シリーズがはじまる。残念ながら今年のドキュメンタリー塾は中止となってしまったが、オンライン参加も可能なこのシリーズで「人間を撮る」ドキュメンタリーの真髄を味わってほしい。 初回(10/18)は30代後半で撮ることに必死だった僕がディレクターを務めた、NHKスペシャル「黄土の民はいま 」と「西方に黄金夢あり 」を上映・解説する。どちらも天安門事件後の中国の激動を描いた。

「黄土の民はいま 〜中国革命の聖地・延安〜」(94年・49分) 中国最貧困地区の延安で農地が競売にかけられることになった。ようやく訪れた豊かになる夢。だが競争原理の導入で村の絆が割れていく。一方、別の村では、一人っ子政策に違反して2人目を産もうとする妊婦を村人たちが守ろうとする。豊かさとは何かと問う”文明論”的な話題作。世界三大テレビ祭のひとつモンテカルロ・テレビ祭でゴールデンニンフ賞(グランプリ)受賞。

「西方に黄金夢あり 〜中国脱出・モスクワ新華僑〜」(93年・44分) シベリア鉄道に乗って北京からモスクワン向かう中国人ブローカーたち。5泊6日、8千キロ。途中駅で革ジャンパーやダウンジャケットを売りさばき物不足に喘ぐロシアで一攫千金を目論む。モスクワの中国人専用宿にはさらに西側諸国へ潜り込もうとする密航者の姿も。あくなき人間の欲望を描く問題作。

このシリーズの最大の利点はオンデマンドでご自分の都合のいい時間に視聴できること(視聴期間限定)。さらに各1時間の僕の作品解説にはZoomでライブ参加もできるし、その時間に都合が悪い場合は解説を録画した視聴リンクで後日でも観られる。 中国を撮ることは、人間の業(ごう)を撮ることだった。自信を持って面白いと言えるので、一人でも多くの人にご参加いただきたい。 オンラインチケットのお申し込みはこちらから https://fb.me/e/3hrUIWrJl FBユーザーでない方はこちら https://hachidorisha.stores.jp/.../5f7c03bc93f619632308bd2b 池谷薫Facebook

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